4-68.期限の月
2008 / 07 / 25 ( Fri )
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そして12月がやってきた。

街中がクリスマスのイルミネーションに包まれる。年の終わりでもあるし、彼女の生活を援助するのも今月が最後になる。再びつきあいを始めた日、俺たちはそういう約束をしたのだ。

あの時はきっぱりと言い切った彼女だったが、実際それに直面したらどうだろう。また金を出さないと言った時に、俺たちの関係は今まで通り続けていけるんだろうか。

いろいろと思うところはあるが、それは心にしまってメールを続ける。どうせ12月が終われば結果は出るのだ。今から騒いで今月の逢瀬をぶち壊しにすることもない。



いつもの様にトイレットペーパーを取りに上海支社に立ち寄る。
ついでにちょっと仕事をして、それから目指すは彼女のマンションだ。

冬至間近の太陽はそそくさと定時退社をしてしまい、あたりは急速に暗くなる。薄暗いスーパーマーケットの前を露天商の商品を踏まないように気をつけながら歩いてマンションの前に。今回はここを通りすぎて、隣のビルに向かう。隣のビルの1Fは美容院だ。ガラス張りの店内を透かしてみると、奥の方で髪をいじってもらっている彼女の姿が見えた。

ちょっと用事があるというSMSが来ていたので、もしやと思ったら大当たりだ。彼女は本当に美容院が好きだ。先日チャットで話した時には、数日に1回は行っていると話していた。髪を切るのではなく、洗って手入れをしてもらっているらしい。贅沢な話だ。一時期は確かに金に困っていたようだが、先月くらいから目に見えて贅沢に走るようになった。

店の前から彼女にSMSを打つ。

「もしかしてヘアーサロンにいる?」
「え?どうしてわかったの」
「君の事は何でもお見通しだよ」

からかいながら美容院の正面のガードに腰をかける。スーツ姿をコートに包み、足元にはキャスター付バッグを置いたまま、ガードレールに座って足をぶらぶらさせている。人通りはあるんだけど、薄暗いせいか、誰も俺のことを気にとめない。そうこうするうちに施術が終わったようで、店員が片づけをはじめた。早速またSMSだ。

「そろそろ終わった?」
「何よ、どうしたの一体?気味が悪いわ」
「瞳を開ければ君の姿が浮かぶのさ」
「何言ってるのよ」

普通に照れてやがる。瞳を “開ければ” って書いたのに気づいてないみたいだ。

しばらくすると清算を終えて彼女が店から出てくる。うつむいて歩く彼女の前に不意に立ちはだかり、「ニイハオ」と言う。はっと顔を上げた彼女が「〜」と叫んだ。

とっさに出たその叫びは、多分中国語だった。


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4-67.海賊版
2008 / 07 / 24 ( Thu )
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衡山路のしゃぶしゃぶ店で腹いっぱいになった俺たち。タクシーを拾って向かったのは海賊版DVDを売っているという店だ。

衡山路からタクシーで10分。上海の中心部に近いが、通りの筋が1本違うのか、街行く人も少ない。やや寂れたこの感じが、いかにも海賊版を売ってる店に相応しく感じた。きっとここから路地に入り、さらに地下にもぐったりするに違いない。

ところが予想は簡単に覆された。タクシーを降りてすぐに彼女が前を指差して、「ここよ」と言う。俺は店をみて愕然とした。その店は、人目をはばかる様子もなく、あまりにもあっけらかんと大通り沿いに店を構えていた。ネオンも派手だ。

二人でガラス扉の入り口から入る。そもそも入り口のガラスが透明で、中が丸見えなのだ。本当にこいつら悪いことをしてるという自覚があるんだろうか?と思ってしまう。これじゃ通りから丸見えじゃないか。でも、店内に置いてあるのは明らかに海賊版だ。値段は一枚 7RMBだそうだ。安い。

店の間口は狭く、通路二つ分しかなくて、その通路の両脇に棚が並んでいる。奥行きは結構深く、店内はそれでも意外に広かった。DVDだからスペースをとらないといこともあるが、この売り場を埋める品揃えは大したものだ。昔の名画から最新の映画DVDまで揃っている。米国の人気ドラマのDVDもある。日本のドラマのDVDもある。これが全部一枚 7RMBなんだから恐れ入る。

入り口に平積みの棚がある。ここには最新の映画まである。まだ日本でDVDが発売されていないほど新しい映画だ。店員が何事か彼女に説明している。彼女に聞くと、これは映画館でビデオカメラで撮ったものだそうだ。画像は悪く、新作がどうしても見たい人以外にはお勧めできないという。有難い話だ。違法の手口まで説明してやがる。

店員はレジに一人とその近くにもう一人。彼女が真剣に選んでいるのを見て、声をかけてくる。今のお勧めなんかを話しているらしい。珍しそうに店内を見て回る俺を警戒するかなとちょっと気になったが、かなりテンションは低く、全然俺のことなどどうでも良い感じだった。

結局彼女はここで、都合7枚のDVDを購入した。しめて49RMBなり。

俺にとっては珍しいアトラクションだった。違法DVDショップは島耕作の漫画で見たことあったけど、想像してたのよりもっと普通であっけらかんとしていた。

中国では「上に政策あれば下に対策あり」(上有政策、下有対策)という諺がある。だからKTVも楽しめるし違法DVDも手に入れられる。でもその一方で政治观念という言葉もある。要するにさじ加減、空気読めってことらしい。

この辺りのグレーゾーンの扱い方は、日本でいう阿吽の呼吸みたいなもんで、他の国の人にはなかなか理解しにくい。中国通を気取って分かった振りをするより、信頼できる中国人の友達を作る方が安全なんだろうなと思った。

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4-66.日式火鍋
2008 / 07 / 23 ( Wed )
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帰りの車内、彼女はさすがに疲れたのか、眠いと言って肩に首を預けてきた。電車の時の様にボックスシートでなく、他の人の目も気にならないので、こちらから彼女の後ろに手を回して肩を抱いた。こういうところはなんだか凄く可愛いと思う。

そのままバスは高速道路をひた走る。秋も深まって気温が低いこともあって、くっついた身体から伝わってくる彼女の体温が心地よい。じきに日が暮れて街が夕闇に包まれてゆくのを見ながら、俺もいつしか眠りに落ちる。再び目を覚ましたのはそろそろ上海体育館が見えてくるかというところまで来たあたり。すっかり日が暮れて周囲は暗くなっていた。

帰り道は少し渋滞につかまったりして時間がかかったらしい、結局、観光センターに到着したのは夜の6時過ぎ。バスを降りると大通りに出てからタクシーを拾って、衡山路のしゃぶしゃぶ屋へ。ここは先日彼女が友達と一緒に来た店なんだそうだ。凄く美味しいし、食べ放題だから良いということだった。

前半はともかく後半部分の理由には納得だ。

この店のもう一ついいところは、お客一人あたり1個の鍋が用意されるということ。ミニチュアのしゃぶしゃぶ鍋みたいなもんなんだけど、完全に自分でコントロールできるというのはポイント高いですよこれは。大食いの中国人に蹂躙されず、俺は俺だけで美しい日本のしゃぶしゃぶを再現するのだ。

実際、鍋を分けて良かった。彼女のしゃぶしゃぶを完全に勘違いしている。出されたものを肉も含めてどさどさと入れて煮込むのだ。あっという間に灰汁(アク)が大量に出てきて、彼女の小鍋は魔女が薬を作ってるかのような様相を呈した。

見るにみかねて手を出す俺。おタマをとって鍋のアクをできるだけ丁寧にすくってやる。でも、彼女は礼も言わない。というか、ありがたみを理解してるのかな。すくったアクを入れた壷をじっと見ている。無礼なのか、料理そのものを理解していないのか微妙な反応だ。

「これは食べるもんじゃないからね」

と念を押す。

「美味しくないからすくってあげてるんだよ」

でも彼女はどっちでも良いみたいだった。肉やら野菜やらをどんどん煮込んでは食べてゆく。肉も牛肉だけでなく、ブタや羊も順々に頼む。サイドオーダーもさんざん食べつくし、最後はおぢやで締めてようやく満足した時には、入店から既に3時間が経過していた。

お互い自分のペースで満足して店を出た二人。時刻はまだ10時過ぎ。このまま帰るにはちょっと早い。どうしようかと聞く彼女に、俺は思いつきでこう提案した。

「海賊版のDVDとか売ってる店ある?見てみたいんだけど」
「いいわよ」

彼女は事もなげに頷いた。


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4-65.水郷周遊
2008 / 07 / 22 ( Tue )
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昼食は中国の伝統的な雰囲気たっぷりのレストランだ。
半個室みたいな席に陣取り、食事開始。

旅行に行くと体力を消耗するのか、彼女の食欲はいつもより旺盛だ。普段は昼はほとんど食べないのに、今回も次から次へと注文する。小皿料理を沢山の種類注文してくれるとこちらも少しは楽しめるんだけど、4人前はありそうなスープを二つも注文したりするもんだから憂鬱な気分になる。

彼女の 「これ、美味しいわよ」 的お薦め攻撃を適当にかわしながら胃袋を温存して昼食が終わるのを待つ。お茶を飲んで一段落した後、店を出てまた水郷に戻ると、角の露店で彼女が何かを買っている。戻って来た彼女が持っているのは煮卵2つ。「あなたの分買っておいたわ」 と俺の返事もきかずに1個を押し付けてくる。

これだよ、これがあるから食事終わりで満腹になってちゃいけないんだよ。煮卵丸々1個だよ。

ついにすみきり一杯まで腹が満たされた俺たちは、最後に水路をボートで遊覧しようと考えた。ボート乗り場に向かうが値段は60RMB。あら、結構するもんだねぇ。

元来が6人乗りくらいの大きなボートなのだ、価格はボート1艘の値段なので、他の客と相乗りになれば一人当たりは安くなる。しかし、時間はもう午後遅い時間。ここに来たツアー客はもっと早い時間に水路観光をすませてしまったらしく、この時間にボート乗り場に興味を示す人は全然いない。

彼女はそれでも諦めずボート券売り場の外に出て誰かボートに興味を示す人がいないか探している。下手したら道行く人にボートを勧めかねない雰囲気だ。6人乗りに2人で乗るという事実が、彼女の “もったいないセンサー” を刺激したらしかった。しかし5分待っても客は来ない。

バスの出発時刻も近づいているので、俺がここで大岡裁き。
二人で乗ろうよ。いいよ、高くても。乗る価値はありそうだし。

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ボートを二人で貸切にして水路を巡る。まぁでも悪くないよこれは。何しろ東洋のベニスだもの。水路から眺める町並みはまた美しく、そのゆっくりとしたスピードが心地よい。鵜飼みたいな人がパフォーマンスをして見せてる脇を抜け、木々に囲まれた水路に入る。中心部から離れて両脇の小道を歩く人もまばらになるところまで進み、そこからまたぐるっと回ってもといた太い水路に戻ってきた。

蘇州は良かったけど、あまりにも暑くて途中から耐久ゲームになってしまった。その点、ここは季節が良かったこともあってかなりいい感じ。それに、旅行をするたびに関係が何とはなしに深まってゆくのを感じる俺だった。


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小姐写真館・別館
2008 / 07 / 21 ( Mon )
長いこと小姐写真を集め続けて来たわけですが、その過程で「可愛い小姐」とは明らかに違うジャンルの写真が集まってくることもあります。本編や写真館に使えない写真は、破棄するのが基本なんですが、たまに、「どうしても捨てられない一枚」というのが出てきます。今回はそれをまとめて紹介します。

まず第一弾はこの写真

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これ、一見普通の写真なのですが、右側の背景でおじさんがくしゃみしてます。このおじさんの佇まいがいかにも中国を感じたんですが、さすがにこれは本編では使えない、ということでボツ(でも捨てられない)ということにあいなりました。

お次は4枚組みの写真

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最初の2枚だけ使うという手もあったんですが、やはりここは4枚セットで行かないと。
下段右の写真はちょっと猪木入ってます。なんだか楽しそうです。

楽しそうと言えばこんな写真も。

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左側は所謂シモネタですね。もうやりたい放題ってな感じです。
右側の写真もふざけて撮った写真なんですが、役がハマりすぎて、人間じゃない生き物のように撮れています。どうなっているんだろうと、何度も見直してしまいました。クリックすると拡大するので、皆さんも是非アップでご確認ください。

お次はスポーツ系。

G113B-08G113B-09

左側は、身体の柔らかさと人の密集度合いが中国を感じます。
右側の写真はちょっとわかりにくいですかね。ブリッジしている写真。何気なく上下逆にひっくり返してみたら、不思議な写真になりました。

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もうバッチリですね。

ということで色気のない記事はこれで終了。
明日からはまた体験談の再開、日帰り旅行の続きです。


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