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3-(69) .小姐の主張
2008 / 03 / 27 ( Thu )
CN3-69

夕食の場では一旦は納得した彼女だったが、帰りのタクシーの中で再び話を蒸し返し始めた。どうにも納得できない様子だ。

「私はあなたを財布だなんて思ったことはないわ、どうしてわかってくれないの」
「そう思ってるようなそぶりに見えたんだよ、ここ数回会ったときはおねだりばかりじゃないか」
「そんなつもりはなかったわよ」

同じような議論が延々と続く。最後の方は彼女もややキレ気味だ。

「なんであなたはそうやってお金の話ばかりするのよ。付き合う前からあなたはお金の話ばっかりだったわ」

おいおい、何でそういう話になるんだよ。

「何度言ったらわかるんだよ、日本じゃ恋人に金を渡したりなんかしないんだよ」
「それにしたって言いすぎだわ」

まるで俺が心の偏狭な人間だといわんばかりの目だ。一瞬、彼女の論理に屈して頭が混乱しそうになるのを懸命に抑える。気がつくと流れが変わっているのは彼女の論戦の巧みさなのか。
俺はもう成り振りかまっていられなかった。何としても流れを変えなければ。

「俺がいくら金を使っていると思ってるんだ。ホテル代や飛行機代だってあったし、その上に君の生活費の面倒まで見て、累計でどれだけの出費になってることか」
「一体いくらだっていうのよ」
「○万円くらい」
「RMBで言ってよ」

面倒くさい女だ。

大げさに溜息をついて日本円を15で割り、RMBに換算する。
それを告げると彼女は、

「そんなに・・」

と絶句した。

思いのほか大きなインパクトに妙な満足感を覚えた。もう完全に俺の流れだ。
これなら面倒な計算をした甲斐があったというものだ。
日本円を15で割って、、あれ、いやまてよ。

「ごめん、一桁大きかった」
「なによそれ」
「でも十分大きな金額だろ」
「さっきのよりは全然小さいわ」

また流れが変わるのを感じる。ここで押されてはいけない。攻めの一手だ。

「じゃぁ自分で出すとしたらどう感じる」
「それは。。。」

気圧されて少し視線が泳いだ彼女だったが、やがて顔を上げるとこう言った。

「でも、今はそれくらいしてくれたっていいじゃないの。」
「何でだよ」
「だって、」

彼女はまっすぐ俺の目を見て言い放った。

「私はあなたに一番大切なものをあげたんだもの」
「。。。。。。」


山口百恵かお前は。

絶句する俺のアタマの中ではあの名曲「ひと夏の経験」が鳴り響いていた。


CN3-69b



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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

00 : 01 : 09 | 体験談: 筆談小姐3 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
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コメント
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読んでいて、妙に納得している自分がいます。
日本人から見たら、訳の解らない逆ギレや
自己主張・・等々!
(大陸で生き抜くには、このくらいの自己主張をしないと生きていけないのかなと感じています。)
私の場合は、要求が無理な時は拒否します。
それで離れていったら、しょうがないと思うようにしています。
この頃は、事務所のスタッフが日本語を覚えたい娘を連れて来たのですが、その娘が擦り寄ってくるのが気になる今日この頃です。
by: 猫好き * 2008/03/27 01:05 * URL [ 編集] | page top↑
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俺はお前の財布か?
って何度言ったことか・・・・。
既にあちらを離れた身なので、今となっては
楽しく痛い思い出です。

それにしても文章が上手ですね。続きを期待しています。
by: nihao * 2008/03/27 14:17 * URL [ 編集] | page top↑
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連日のコメントありがとうございます。

猫好きさん
確かに、無理をしないというのはひとつの考え方ですね。しかし、また新たな話が始まりそうなんですねぇ。俺は言語フェチなので日本を習いたい小姐はうらやましくないですけど(笑)

nihaoさん
今は離れてしまったんですね。でも、楽しく痛い思い出ってのは同感です。文章上手ですか?へへ、がんばります。同じところ、違うところいろいろあるでしょうが、当時を思い出しながら楽しんでください。
by: PAMI * 2008/03/28 00:24 * URL [ 編集] | page top↑
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