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4-13.不顧放置
2008 / 05 / 19 ( Mon )
CN4-13

ようやく帰ってきた彼女と一緒に夕食に行く。浦東のバイキングだ。会話はあんまり盛り上がらない。スターバックスで放置されたから俺がそう感じるだけなんだろうか?

「私、あなたが日本で他に好きな人でもできたのかと思ってた」

不意に彼女がそういって、様子をうかがうようにちらっと俺の顔を見る。
どうにも絡みにくい状態のまま、沈黙の多い食事が続くのだった。

食事を終えて彼女はトイレにたった。そのまま長い時間戻ってこない。彼女が長時間店に居座ったのでもう店は閉店の時間が近い。客が徐々に帰り、客席に座っているのが俺だけになっても彼女は戻ってこない。

隣のテーブルを片付け終えたウエイトレスが俺のテーブルにやってきて話しかけた。大方、閉店なのでお帰りくださいとでも言っているんだろう。俺も帰りたいのは山々だが連れが戻ってこないのでは待つしかない。

「他不来了」

とウエイトレスに告げると、彼女は一瞬間を置いて、

「没来了」

と言い換えた。
そうか不じゃなくて没かこの場合は。でも、文法は違ってても意味は通じたようだ。

「他去那里?」
「手洗間」

ウエイトレスがさらに質問してくるのに対して答える俺。発音に自身がないので手をこするジェスチャー付きだ。ウエイトレスは俺のジェスチャーで意味を汲み取り、なるほどといった様子で一つ頷くと反対側のテーブルの片付けに移っていた。

周囲のテーブルの片づけが進み、かなり居心地が悪くなってきた頃になってようやく彼女が戻ってきた「I’m sorry」と言ったのみで言い訳もしない。俺もあえて問い詰めることはしなかった。ちょっとしたきっかけでお互いが不信感をもって距離をとりはじめる。昨日はあんなに近かった関係が膜を一枚隔てたような感じだ。

店を出てつないだ手が冷たい。

俺はだんだんいたたまれなくなってきた。このまま時間を使っても何かが生まれるとは思えない。意を決した俺は彼女の家に戻るやいなや、帰り支度を始めた。

「どうしたの?」
「さっき仕事の電話があって、明日の朝一番で帰らなきゃならなくなった」

もともとは日曜日の午後便で帰国する予定だったのだが、彼女に嘘をついてさっさと荷物をまとめた俺は、翌朝一番で浦東空港へ。

空港でチケットの変更をして、ほうほうの体で日本に逃げ帰ったのだった。


CN4-13b



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