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4-21.天理人情
2008 / 05 / 29 ( Thu )
CN4-21

彼女からはすぐに返事が来た。最初の文章は、

「I find something back with your sincere words」(気持ちは伝わったわ)

そして再びメールのやり取りが始まった。

雪解けが進む中、俺は次の出張を心待ちにする。上海支社からの連絡が来ると、すかさず日程の調整に入る。

相変わらずの上海支社は水曜日のミーティングなどを指定してきやがる。Yがいなくなってから本当に駄目になったよなここは。全然わかってないよ。出張てぇのは週末にくっつけるのが礼儀だろアホンダラ。

直裁的な言葉は使わずに間接的表現を駆使しながら日程を週末にずらしてゆく。台湾人の担当者が

「最近は忙しいみたいだね、Cheers!」

とメールを寄越す。

「人生いろいろ、仕事もいろいろ、だね」

と意味不明なメールを返信して煙に巻く。だんだん俺も大人物になってきたかな。

一方、彼女の方は、ここ数日間忙しかったようだ。犬猿の仲だった父親が上海に来て、彼女の家に初めて訪問したらしい。彼女の母親は離婚して、最近再婚した。彼女は新しい父親に馴染めないでいたのだ。昨年別れ話でもめている最中に父親から電話が入り、ぼろぼろと涙をこぼしていたのを思い出す。でも、あれから半年近く経って、ようやく父親が自分のことを気にかけていてくれたことが理解できたんだそうだ。

悪い時には悪いことが立て続けに起こる。良い時には良いことが重なる。それは偶然なのか、中国特有の神秘的な信仰の為せる技なのか、あるいは単なる嘘なのか。

ある文化論の本によれば、中国人にとって肉体は仮のもの。彼らの本質はその背後にある。本質があやつり人形のように肉体を動かし、言葉を発生させる。肉体は現実世界に対応しなければならない。自分の肉体をうまく現実世界に合わせて動かすことが、よくできた振る舞いとされるそうだ。だから彼らは嘘を道具か潤滑油のように使う。

本当かどうかは知らないが、それが文化だというなら受け入れるしかない。

***

そして出張最終日。相変わらずプライベートには無関心な支社の連中に別れを告げ、まだ日が陰る前に彼女のマンションに到着する。部屋の呼び鈴は相変わらず壊れたまんまだ。ドアをノックして覗き穴から逆に部屋の中を覗く、ほどなく人影が近づくのが見え、ドアが派手なきしみ音を立てて開いた。

中には目を輝かして立っている彼女の姿があった。


CN4-21b




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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

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