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4-41.ピアノ
2008 / 06 / 22 ( Sun )
CN4-41

かなり一杯になった腹が一段落するまでぐだぐだしてから勘定を済ませて店を出る。

時刻は12時を回ったところだが、彼女はまだ部屋に戻りたくないと言う。身体は疲れているはずだが、明日はもうお別れの日なので少しでも長く起きていたいんだそうだ。それは嬉しいけど、さて、何をしますかねぇ。娯楽なんか全然なさそうだよここは。

1階からホテルに入り、レストランの脇の階段を上がってゆくる。レストランはバーとしての営業を終えたばかりのようで、店員が清掃を始めている。それを見下ろしながら2階に上がるとそこにピアノがあった。そういえば、昼間生ピアノの演奏をしてたっけ。

「ピアノを弾こう!」

彼女が唐突に言い始める。でもこれって触っちゃ駄目だろ。

「大丈夫よ、ちょっとだったら平気だから」

何を根拠に言っているのか全然わからないけど自信たっぷりだ。
で、誰が弾くのさ。

「あなた弾けるって言ったじゃないの」
「君も習ってたんでしょ、まず最初に弾いてみてよ」

譲り合いながらもピアノに近づき、ふたを開ける。恐る恐る鍵盤を押すと、大きな音がホールに響いた。うわぁ、大丈夫かなぁ。

「じゃ、まず私からね」

と、彼女が弾き出す。あーもう手加減なしだよ。普通のタッチで弾いている。大きな音がホールに響く。しかも弾いてる曲はモロ練習曲だ。聞いてるほうが恥ずかしい。でも、彼女はそんなこと全然気にしちゃいない。フルで一曲弾ききると、自慢げにこっちを振り返る。

「ほら、弾いたわよ。今度はあなたの番」

何だか肝試しみたいな雰囲気になってきた。交互に弾いていったら、怒られるときにはどっちが弾いていることになるんだろう?

俺も腹をくくって弾き始める。練習曲は嫌なので、それっぽい曲で、かつ、ちゃんと弾けるやつ。こういうことを一生懸命考えるところが、俺も人間が小さいよな。

「凄い、上手いじゃない」

彼女が歓声を上げる

「じゃぁ私の番ね」

で、また練習曲。しかも今度は長い。時間が経つほど通報されて誰かが止めに来る可能性が高くなる。こんなに長く弾いたら俺がヤバイじゃないか。

そして、次に俺の番。姑息にも凄く短い曲を選んだんだけど、30秒も弾かないうちに廊下の向こうから黒いスーツを来た男が手を振りながら歩いてくるのが見えた。

うわぁ、やっぱり来たぁ。

二人で慌ててピアノを片付けると、駆け足で反対方向に逃げ出した。


CN4-41b



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